こんにちは。モノコスメラボのサイガです。
今回はスキンケアに活用できる精油の使い方について語ってみようと思います。
精油は、その豊かな香りと多様な効能から、スキンケアに取り入れることでさまざまな効果を期待できるアイテムです。
私は香りが好きなので(天然・合成どちらも好きです)、スキンケアアイテムに香りがついていると気分が明るくなり、肌もイキイキとしてくるように感じるので、普段からスキンケアに精油を取り入れています。
初心者必見:精油で始めるスキンケア入門

まず、入門編として精油の基本的な知識を少しお話しておきます。
精油は植物の中の「分泌腺」という部分で作られ、「油胞」として蓄えられた油溶性の物質です。人工的に作られた成分やアルコール、水など一切含まない純粋な精油がアロマセラピーで利用される精油、すなわちスキンケアにも活用できる精油としてご紹介させていただきます。
アロマオイルと書かれているものは精油ではない可能性が高いので注意が必要です。精油を購入する際は学名を確かめるようにしてください。単体(シングル)の精油はラベルに一般名と世界共通で使用される学名(ラテン語)が書かれています。
(ブレンド精油の場合は、ラベルの情報だけでは分からない場合、メーカーに確認するとよいと思います。)
先ほど、精油は油溶性の物質と書きましたが、そうなんです!
一番シンプルで簡単なスキンケアとしておすすめなのは、植物オイル(一般的にキャリアオイルと呼ばれることが多い)に数滴の精油を混ぜて使う方法です。
植物オイルとしては、ホホバオイルやスイートアーモンドオイルが一般的で、肌になじみやすく、テクスチャーは重たさがなくのばしやすい、そしてオイル自体の匂いもあまりないので、使いこごちもよいと思います。オリーブオイルも手に入りやすいですが、少し重たいテクスチャーです。
慣れてきたらテクスチャーで植物オイルを選んでみたり、肌悩みに合わせて選んでみたりもおすすめです。(また別の記事で紹介したいと思います。)
例えば、乾燥肌やエイジングケアを意識する方や敏感肌の方にはフランキンセンス(Boswellia carterii)を脂性肌の方にはティートリー(Melaleuca alternifolia)、混合肌の方は真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)やイランイラン(Cananga odorata)を選ぶと良いでしょう。キャリアオイル10mlに対して精油を1〜3滴加えるだけで、自分だけのオリジナルスキンケアオイルが完成します。
顔に使用する場合は1%までとすることをおすすめします。体調や年齢、肌の敏感度、香りの敏感度によって希釈濃度を調整してください。
スキンケアオイルの作り方や計算式は下記をご参考ください。
【スキンケアオイルの作り方】出来上がり量10mLの場合
■材料
植物オイル10mL、精油3滴(0.9%賦香)、10ml遮光瓶
■作り方
①植物油を計り容器に入れる。
②精油を滴数分入れ、よく混ぜ合わせる。
※香りが濃いと感じた場合は精油の滴数を減らして調整してください。
【希釈濃度の計算式】
植物油の量×希釈濃度÷精油1滴の量(0.03mL)=混ぜる精油の滴数
(計算例:30mL×0.01(1%)÷0.03=10滴)
※原則として精油1滴=0.03mLとして計算を行います
出来上がったスキンケアオイルを塗る前に化粧水で肌を整え、手のひらで優しく温めてから肌に塗布すると、より肌になじみやすくなりますよ。洗顔後すぐの肌がある程度うるおった状態であれば導入オイルとして化粧水前に使うのもおすすめです。
個人的なおすすめは、ちょっと面倒ではありますが、クレンジングや洗顔後にスキンケアオイルをつけてお風呂に入ることです。湯気の効果も相まって肌がもっちりうるおうのと、お風呂上りに乾燥しづらいので、外気が乾燥する冬場など特におすすめです。
毎日のスキンケアに取り入れることで、精油の香りに包まれながらリラックスし、肌も心もリフレッシュできます。初めての方でも簡単に試せるので、ぜひお気に入りの精油を見つけてスキンケアオイルを作ってみてください。
monocosmelabでは精油を活用した化粧品としては石けんの取り扱いがありますのでぜひこちらも参考にしてみてください。
肌悩み別に解説!ぴったりの精油とは?

ここでは、肌悩み別に、それぞれにぴったりの精油をいくつかご紹介します。
▮乾燥肌
乾燥肌にお悩みの方には、ベティバー(Vetiveria zizanoides)やゼラニウム(Pelargonium asperum)が効果的です。ベティバーは深みのある甘くウッディで穏やかな香りでリラックス効果も期待できます。ゼラニウムはホルモンバランスの乱れによる肌荒れや不調和をケアする精油としても知られています。ゲラニオールという成分を含んでいるので、少しローズっぽく甘い香りがするので、女性は好きな方が多いのではないかな?と思います。
▮脂性肌
脂性肌の方には、ティートリー(Melaleuca alternifolia)、タイムリナロール(Thymus vulgaris ct linalool)をおすすめします。ティートリーは抗菌作用があり、肌を清潔に保ち、炎症を抑える効果があります。(私個人的にはフェイシャルというよりはボディケアにおすすめだと考えています。フットケアが中でもおすすめです!)タイムリナロールは優しく包み込むような甘さとグリーンな深みがバランスよく融合した香りでフローラル調のようなグリーン調のような絶妙な香りです。私はどうやら甘めの香りに惹かれがちのようでして、タイムリナロールは好きな香りの1つです。タイムリナロールは抗菌性や抗炎症作用があるといわれているので、ニキビによいと考えられます。また、タイムリナロールは抗真菌作用をティートリーと同様に持つので、水虫によいとされフットケアにもおすすめです。
▮混合肌
混合肌には、真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)、イランイラン(Cananga odorata)、ネロリナ(Melaleuca quinquenervia ct linalool)がおすすめです。ラベンダーはヨーロッパでは古くから「万能薬」として活用されてきた歴史があり、世界中でもっとも活用されている代表格のような精油ですが、肌荒れやニキビケアなどに役立ちます。ラベンダーもイランイランもネロリナもホルモンバランスを整える調整役といえるので、ホルモンバランスの崩れからくる肌荒れなどにもおすすめです。
▮敏感肌
肌状態が悪かったり、いつもより敏感に感じるときは精油の使用を控えることが前提ではありますが、ジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla)、ミルラ(Commiphora molmol)がおすすめです。ジャーマンカモミールは水蒸気蒸留の際に「カマズレン」という成分が生じるので濃い青のきれいな色をした精油です。香りはカモミールティーを飲まれる方はわかるかもしれませんが、カモミールティーを飲むときに香るその香りに近いと思います。肌の修復や荒れた肌の再生に役立つといわれています。ミルラはしわを防いでくれる効果があるといわれているのでエイジングケアの精油としてもおすすめです。
▮エイジングケア
さらに、エイジングケアを考えている方には、フランキンセンス(Boswellia carterii)やローズオットー(Rosa damascena)、ネロリ(Citrus aurantium)がおすすめです。これらの精油は、細胞の再生を促し、肌のハリを保つ効果が期待できます。ただし、ローズオットーやネロリは高価な精油なのでフランキンセンスが購入もしやすくおすすめです。
それぞれの精油の特徴を活かし、自分の肌状態や香りの好みに合わせて選んでみてください。精油を上手に取り入れることで、毎日のスキンケアがより楽しく、効果的なものになります。自分だけの特別なスキンケア時間をお楽しみください。
スキンケアに精油を取り入れる際の注意点

スキンケアに使う精油を選ぶ時に注意してほしいのは精油の品質と安全性です。まず、信頼できるメーカーから購入することが大切です。天然の精油100%のものを使うようにしてください。
次に、精油の使用期限にも注意を払いましょう。開封後は時間が経つと酸化し、効果が薄れるだけでなく、肌に悪影響を及ぼすことがあります。
また、妊娠中や授乳中の方、高齢者、お子様などは避けた方がよい精油もあるのでご注意ください。
柑橘系、特にベルガモット(Citrus bergamia)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、ライム(Citrus aurantifolia)は光毒性が懸念されるので肌に塗布したあと2時間は、肌を直射日光に当てないでください。
さらに、スキンケアとしてはあまりおすすめできない精油もあります。
それは、成分特徴として「アルデヒド類」と「フェノール類」を多く含む精油です。
おすすめできない理由としては、アルデヒド類はタンパク質と反応・結合しやすい性質を持ち、肌を固くしてしまう恐れがあるためです。また、フェノール類は殺菌作用が高く、肌刺激になることがあるためです。
【アルデヒド類を多く含む代表的な精油】
・シトロネラ(Cymbopogon nardus)
・レモングラス(Cymbopogon citratus)
・レモンマートル(Backhousia citriodora)
など
【フェノール類を多く含む代表的な精油】
・クローブ(Syzygium aromaticum)
・シナモンリーフ(Cinnamomum zeylanicum)
・フェンネル(Foeniculum vulgare)
など
また、アブソリュート(溶剤抽出法)で採られた精油は溶剤が残っている可能性が高いので、こちらもスキンケアとしての活用は控えた方がよいと思います。
代表的な精油はジャスミンサンバック(Jasminum sambac)、ジャスミングランディフローラム(Jasminum grandiflorum)です。ジャスミンサンバックはジャスミンティーの香りづけとしても使われているので、皆さんも想像しやすい香りだと思います。そして、どちらもフローラルの華やかな香りでスキンケアに使いたいくらい素敵な香りなのですが、芳香浴やルームフレグランスとして活用する方がおすすめです。
そして、初めて使用する精油は必ずパッチテストを行い、肌に合うかどうかを確認してください。これにより、アレルギー反応を事前に防ぐことができます。ただし、肌状態が良くない場合は、無理に肌に使う必要はないので、芳香浴で香りを嗅いで楽しむ方法がおすすめです。
精油を正しく取り入れることで、安心してスキンケアを楽しむことができるでしょう。